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高気密高断熱の家って?
先日のメモ「暖かい家-家の作りやうは冬をむねとすべし」で書いたとおり、
「いつでもどこでも暖かい家」を求めるならば、「高気密高断熱の家」が正解です。
高気密:すきま風が入らない、熱が逃げていかない
高断熱:夏は外から熱が入らず、冬は内から熱が逃げない
なので、
冬:少ない暖房の稼動で家を暖めることができる=電気代が安くしかも暖かい
夏:少ない冷房の稼動で家を冷やすことができる=電気代が安くしかも涼しい
と、建てて住んで本当に実感しています。
高気密高断熱ができるホームビルダーを探す3つの質問
では、高気密高断熱ができるホームビルダーをどう探すか?ですが、結構簡単です。
(ホームビルダー:ハウスメーカー、工務店、設計事務所などの総称です。)
高気密高断熱の家ができるか、を質問すればよいと思います。
但し、以下のような数値を示してもらう質問が良いです。
- 全棟気密測定をしていますか?
- 気密性能を示すC値の実績を教えてください。
- 断熱性能を示すUA値(またはQ値)の実績を教えてください。
いまや、高気密高断熱の家を謳っているホームビルダーばかりです。
でも、私が家を建てる際、富山県で本当にできるホームビルダーは非常に少なかった、というのが私の感想です。富山県だけでなく、日本ではまだまだ本当に少ないんだろうな、と思います。
Q:全棟気密測定をしていますか?
高気密を謳うからには、気密測定で数値を測定しているはずです。
気密性能は、1棟1棟の家によって変わるからです。
材料による違いもありますが、大工の方々がしっかりと気密知識を持ち建て方を行われているか、気密コーティングをしっかり施されているか、など変化点が多いからです。
ですので、気密測定は毎回は行っていない、と回答するホームビルダーは信頼できません。
Q:気密性能を示すC値の実績を教えてください。
全棟気密測定をしているホームビルダーの実力はどの程度か?を知る質問です。
C値:家のすき間の割合。値が小さいほど高性能(すき間がない)。
私の場合、C値0.5を下回る実績を持つホームビルダーを探しました。
当時Googleで検索したところ、高気密高断熱の先駆者である鵜野日出男さんが、最低0.9できれば0.5という数字を出されていたことにあります。
ちなみに、日本の次世代省エネ基準は、C値5.0というまったく省エネではない基準となっていました。しかも、現在の改正省エネ基準では、そのC値条件すらなくなる、というわけの分からない状態になっています。
日本の省エネ基準 C値5.0 ←非常に悪い
カナダ省エネ基準R-2000 C値1.0
ドイツパッシブハウス基準 C値0.2
ですので、C値を言わず、日本の次世代省エネ基準を超えています!というホームビルダーはまったく信用に値しない、ということです。
実際の話、本当にそう答えてこられる営業さんが何人もいて、唖然とさせられました。
なお、私が建てた家は、C値0.1の高気密の家となりました!!
Q:断熱性能を示すUA値(またはQ値)の実績を教えてください。
UA値・Q値ともに家の断熱性能を示すものです。
詳細は説明しませんが、値が小さければ断熱性能が高くなります。
UA値:熱損失係数
Q値:外皮平均熱貫流率
日本の省エネルギー基準によると、
私が暮らす富山県を含む地域では、UA値:0.87、Q値:2.7
を省エネとしていますが・・・これでは私の求めるエアコン1台で暖かい家にはならないことを調べて知りました。
そのため、私の場合、北海道地域の基準となる、UA値:0.46、Q値:1.6以下の実績を持つホームビルダーを探しました。
なお、私が建てた家は、UA値0.4、Q値1.4の高断熱の家となりました!!
*補足
更に先進的なエコハウス(Q値1.0を下回る)を推進しているホームビルダーもあります。特に、北海道や東北地域にて。非常に羨ましい数値です。但し、そこまでの性能を求めると初期費用である建築コストが非常に高くなります。性能と費用のバランスを考慮することも必要です。
ご自身の住む地域が、どの地域区分で、省エネ基準の数値になるか参考に確認ください。
ただし、日本の省エネ基準は非常に甘いです・・・達成しているからといって高断熱の家ではありません!基準は別に作りましょう。
今日のまとめメモ
- 本当の高気密高断熱ができるホームビルダーは少ない。
- 3つの質問「全棟気密測定」「気密C値実績」「断熱UA値Q値実績」を聞く。
- 全棟気密測定は必須、気密C値は0.5以下、断熱UA値Q値は省エネ基準北海道地域以下(北陸富山に住む私の場合)
- 日本の省エネ基準はあまく、省エネ基準を達成する程度では暖かい家にはならない。