暖かい家-家の作りやうは冬をむねとすべし

「家の作りやうは 夏 をむねとすべし」ってほんと?

中学校時代に習った有名な歌人吉田兼好の「徒然草」の一節です。

「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。暑きころわろき住居は、堪へがたき事なり。」

現代語訳では、こんなところでしょうか。

「家の作り方は、夏を中心に考えたほうがよい。冬はどんな所にも住める。夏暑いころの悪い住まいは、堪えがたい事だ。」

なんとなく、覚えていたこの一節。学生の頃にならうので、すっと頭に残っていました。
暑い季節に窓を全開放し涼やかな風が流れ、遠く自然の景色を望む・・・確かに想像しても流麗です。

でも、違和感がありますよね。
冬はどんな所にも本当に住めるでしょうか?私は寒い場所はとことん苦手です。嫌です。

当時と現代の違い、それは環境の変化と技術の進歩だと思います。
吉田兼好は鎌倉時代、1300年代の歌人。
もちろん鎌倉時代はクーラーも扇風機すらもない暖房器具ならば囲炉裏や焚き火がある。
現代では田舎でない限り、夏に窓を開けるだけでは涼やかな風も取り込めない。
現代はセキュリティや大気汚染の観点から窓を開放し続けることも困難です

ですので、昔の方が求めた少しの涼しさ・暖かさに比べると、
現代に住む私たちは、涼しさ・暖かさをより多く求めていると思います。
少なくとも、私は家づくりの際にふとこの一節を思い出し悶々と考えていました。

現代は「家の作りやうは 冬 をむねとすべし」だ!

現代は、なのか、私は、なのか、暑いことはある程度耐えられます。が、冬の寒さはとことんダメです。
寒い日に、お風呂に入る際、廊下を歩く、サンルームでの物干し・・・前のアパート住まいでは全てが苦痛でした。せっかく家の中にいるのに、すごく寒い。

ありがたいことに、私だけでなく妻もこの点は非常に不満を持っていたので、私たちの家づくりキーワードの1つ目に「暖かい家」が決まったのでした。
過去メモ:「快適な家づくりに大切な3つのキーワード

冬寒い日でも24時間どの部屋も廊下も風呂もトイレも暖かい・・・そんな家にずっと住みたい。でも、電気代やガス代・灯油代もとんでもない請求がくるのも嫌だ・・・となって、色々とGoogleでのネット検索、書籍を調べた結果が、「高気密高断熱の家」でした。

「高気密高断熱の家」は、寒さにも暑さにも強く、家計には優しい!

簡単に言うと、

高気密:すきま風が入らない、熱が逃げていかない
高断熱:夏は外から熱が入らず、冬は内から熱が逃げない

です。

ですので、
低気密低断熱の家に比べると、

冬:少ない暖房の稼動で家を暖めることができる=電気代が安くしかも暖かい
夏:少ない冷房の稼動で家を冷やすことができる=電気代が安くしかも涼しい

です。
現代のように冷暖房機器を使う前提とすれば、

冬をむねとすれば、夏も冬も快適で家計に優しい!

ことになります。
実際、コンセプト建築設計に建てていただいた高気密高断熱の私の家は、まさにこれを体感しています。

私の住む北陸にある富山県は近年稀にみる大雪が降っていますが、
床下エアコン1台で24時間21度±1-2度をほぼ維持している状況です。

私と同じく「暖かい家」がいい!と思っておられる方は、是非「高気密高断熱の家」を追求してみてください。

高気密高断熱です!と謳っているホームビルダーはいっぱいあります。というより今のご時勢ほとんどがそう言っています。
でも本当の高気密高断熱を行えているホームビルダーは少ないです。
長くなってきましたので、どうやってホームビルダーを探したのか?は次回メモします。

今日のまとめメモ

  1. 現代では、「家の作りやうは 冬 をむねとすべし」が正解(だと思います)。
  2. 「暖かい家」を求めるならば、「高気密高断熱の家」が正解。実際建ててみてそう思います。結果、冬暖かいだけでなく夏も涼しくなります。しかも財布にも優しい。
  3. 本当の「高気密高断熱の家」を建てられるホームビルダーは少ない。調べて実感しました。ではどう探したのか?は次回のメモで。

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